寝顔を見せること

私は高校の授業中よく寝ていた。驚くほどの爆睡で、周りからその不真面目さを指摘されるほどだった。
だが、大学に入学するとその頻度は格段に減った。
自分ではどうしてなのか考えてもわからなかったのだが、最近になってやっと理解した気がする。
それは、私が大学で周囲の人に気を許していないからだということだ。

大学の講義では、クラス単位の授業は少なく、だいたいがその講義ごとに受ける人、周囲の人が異なる。
同じ学部の人もいれば、そうではない人もいる。ただ、その講義内容に興味がある者が集まって受けている。

クラスなら、一日中、はたまた一年中一緒に過ごすわけだから、クラスメイトがどんな人なのかは感覚的にわかる。それだけ接する機会が多いからだ。

しかし大学ではそうはいかない。

私は気を許していないのだ。話したことも顔を覚えてもいない人に寝顔という無様な姿は見せられない。

だから私は寝ることができない(教授に失礼なので寝てはいけない)。