出会いを求めて

たしか年始のこの時期だったと思う。

人と手も繋いだことがなかった私は、猛烈に恋愛をしたくなった。

周りの幸せな恋愛話を聞いて羨ましくてたまらなくなったのだ。

Twitterで宣伝していたマッチングアプリに登録してみた。それまで偏見があり、どうしても登録できなかった。

でも友達に紹介してなんて恥ずかしくて言えなかったし、もしダメでもすぐ次に移れるアプリは手軽でいいと思ったのだ。


顔写真も登録しておらず偽名だったが、いいねはたくさん来た。別に私に魅力があるのではなく、アプリ始めたてはそういうものだと思う。


アプリを始めてから何人かと連絡を取り合っていて、返信は真面目にした。放置してしまうことはあったが、返信する場合は適当にすることはなかった。


でもLINEにうつったり会うのは怖く、なかなか踏み出せなかった。数週間後にはLINEに移ることはできたが、会うことはかなわなかった。


その中で連絡を頻繁に取り合うSさんがいた。彼は二十代前半の社会人、誰もが知る有名大学を卒業している人だった。


結果から伝えてしまうと、私は彼と会うことになる。