ビジネスにおける「俺」と「僕」と「私」

男性がビジネスの場で使う一人称の代表はタイトルに挙げた「俺」と「僕」と「私」だろう。もちろん、他にも様々な一人称があり、正解も不正解もない。


しかしこの記事では、これら代表三つを使い、私がそれぞれに感じることを書いていく。


まずは、「俺」だ。意外とビジネスの場において「俺」を使用する男性は多い。もちろん会議などのフォーマルな場合ではなく、少し社員と話す程度のときだ。なおかつ立場も上の人がほとんどだ。


単刀直入に、「俺」を使われると少しドキッとする。怖いのだ。プライベートなら良いのだが、ビジネスという場での無味乾燥な人間社会から、その男性の人間的な部分が、ぽんっと自分に転がりこまれた感覚がする。私のビジネスに対する没個性的なイメージも大問題なのだが、そこはとりあえずおいておく。


自分のことを下に見ている(立場上当たり前だが)点が手に取るように分かってしまう。それが、なんとなく馬鹿にされている感覚と重なってしまうのだ。だから私はギョッとする。


次は「僕」だ。もしこれを上司が使っていたら、それはそれで頼りなさを感じてしまう。「僕」という響きはどうしても幼さを感じさせてしまうからだ。成長するにつれて「僕」から「俺」呼びになる男性が多いためこう思うのは当たり前だ。上司からしたら、「僕」を使う新入社員はかわいらしいかもしれない。だがその社員が三年目になったとき、新入社員と話してその時も「僕」だと少し戸惑ってしまう。新入社員の頃の気持ちのままだと思ってしまうのだ。


最後に「私」。中学校の頃の生徒会長が演説で「私」と発言するたびにクスクス笑いが起きたのを覚えている。当時は男性が「私」と称するのは大人じみていて馴染みが全く無かったのだろう。つまり裏返せば、「私」はビジネスに適した自称ということか。


私はまだ学生なので、友人男性が「私」を使用していたら茶化してしまいそう(最低)だ。だが「私」には、「俺」と「僕」どちらの欠点も補うことができる。「私」をつい最近まで学生だった新入社員が使用するのは気恥ずかしいかもしれないが、ビジネスに染まった人間には最も印象がいいのかもしれない。