聞くは一時の恥 聞かぬは一生の恥

タイトルをまさに体現する行動がある。

それは、この会話だ。

(おにぎりを食べる)

「あ、やばい、なんか歯に挟まっている気がする」

「なにが挟まってんのよ(笑)」

「のり。今シャケおにぎり食べたからさ」

「どれ見せなさい」

(ここでいーっと口を横に開き、歯茎まで隅々に見られる)




これ以上の屈辱はあるだろうか?(確実にある)だいたいこの顔は醜い。鼻も横に広がるし、歯に挟まったのりに意識を集中しているため、目は全く笑っておらず真面目である。


この、まさに「あほヅラ」は正直誰にも見られたくない。いつにも増してブッサイクだからだ。


だが、「あほヅラ」を見せないともっと恐ろしいことになる。


「お昼美味しかったね〜」

「うん!(歯にのりついているよ)あ、映画まであと1時間だね(歯にのりついているよ)」

「結構映画館混んでたし、もうチケットとポップコーン買っとこうよ」

「そうだね!(歯にのりついているよ)絶対キャラメル派だなぁ私(歯にのりついているよ。ポップコーンやめたほうがいいよ。のりとポップコーンが挟まって口の中宝箱みたいになるよ)」



こんな感じになる(ならない)。

一度あの恥ずかしい顔を見せればのりはとれるわけだが、それを怠ると、もっと恥ずかしい顔を持続的に公衆の面々に晒すことになる。


聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥、の原案はこの例だとしか思えない今日この頃である。